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子平進言
● 八字と大運(命から大運への剋を見るか?)    
 子平(四柱推命)に興味を持たれる方なら先天八字と言う言葉をご存じと思います。これは、人が生を受けこの世に生まれ出た時に、その人物が地球上に生まれ出た地点と、太陽の位置の関係を干支歴に差し替えて年月日時の干支八文字で表したものを言って居ます。(詳細は本サイトの蔵干論をご参照ください。)そして、この子平(四柱推命)と言う方法では、個人の人生の流れを「大運」と称し、この大運に一歩また一歩と歩み出して行く、その経緯を読みとろうとする行為を「占う」「鑑定」等と称して居ます。
 そこで先ず八字と言うものは一体どう言うものかと言う事をしっかり把握する必要があります。それはどう言うものかと言うと、例えば貴方に親から授けられた名前であり、住民登録されたナンバーであり、あえて言えば、標識であり、さらに思い切って言えば車の登録ナンバーの様な関係で、一旦決定された限りこれを変更する事は出来ない性質のもので、その人物を示す分子構造の様なものと考えています。次に、例に取るには少し難しいのですが、適正なものが浮かびませんので車を例にとって話を進めて見ます

 例えば車のナンバーが解ればその車種を特定する事が出来ます、車種が特定できれば、性能、年式が解ります。そして、普通車、営業者、スポーツカー、トラック、大型、小型、等が解れば、どう言う運用に向く種類のものであるかが見えてきます。このナンバープレートに当たるものが八字に成ります。
 そしてこの車に乗って大運と言う道をドライブするとします。建て込んだ路地へは大型車では入れません。荷物が多ければ荷台の広い車が適しています。しかし貴方には小さい車しかない、乗り換えはできません、そう言う世界に貴方は居ます。荷物が多いからと言って荷台を広げる事はできません。レンタカーの用意は無い世界と考えて下さい。そこで工夫するとすれば、荷物を減らすか、迂回するか、と言う事に成りその工夫を読みとろうと言うツールがこの子平と言う方法と考えています。
 更に、その世界は、眼の前にある道が狭いからと言って、貴方自ら車から降り工事をして道を広げたり、穴があるからと言って埋めに行く事が出来るものではない、穴を埋めたければ、時間を止めるしかなく、時間は止まらずに経過して行くばかりです。大運と言う存在はそういう種類のもので、穴があればそれを避ける工夫をし、自分の車よりも道が狭ければ、通り易い道を探す、その為のナビゲーションシステムが、この子平と言う方法で命と運を読むと言う行為と考えていますので、命・八字から、大運への剋は採用して居ません。

 この、命から大運への剋と言う考え方について、ある占友は、「命から大運の剋を認めると言う事は、それは、天に唾する行為。」と一掃しました。また別の方は「日干が弱く、日支に官殺がある様な命に、比劫が旺じる大運に廻れば、やはり安定と言う実証があり、命から大運への剋を採用するならば、この様な場合比劫が旺じる大運は全く期待できない事に成る。」と言うこれも大変端的な指摘でした。先天八字の先天とは、まさにこう言った事を意味しているのであろうと思います。

 子平と言うものは、綿々と受け継がれてきた先達の工夫があり、それを収受選択し、新たに開発していく経緯で、一つの八字の事象について、後から子平的見解で辻褄を合せて行く事も一つの勉強の方法であろうとは思いますが、一時の自己満足な理論付けに終わらない様に、全ての似た様な事象のケースに対して同じ理論を適用して、同一の視点で説明できる事が最善であると言う思いから、理論は簡単シンプルに限ると考えています。
2010/10
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